震災の直前に読んだ、チャペックの「山椒魚戦争」。
高い知能を持つ山椒魚が発見され、労働力としてどんどん増やされるが、
増えすぎて、山椒魚の反乱が起こり、えらいことになる...という
風刺と皮肉とユーモア満載のSFなのだが、最後のほうにこんな一節がある。
ちょっと長いけど引用します。


「わたしはだよ、及ぶ限りの手はうってみたんだ。適当な時に警告を発しもしたんだ。ところでそいつが、人間にどんな効果を与えたと思うかね?百人が百人、これ以外にやり方などはありませんてんで、無条件に正しい政治的理由やら、経済的理由やらを、五万と並べ立てたぜ。しかたがないやね、世界は結局滅亡さ。しかしすくなくともだ、その滅亡たるや、万人の認むる政治的、経済的判断の上に立っての滅亡だ。すくなくとも、科学、技術、それから世論の同意にもとづく滅亡だよ。しかし、宇宙の滅亡なんざあ屁の河童さね。もっぱら、国家や経済の利益、威信とかいうものに対する考慮、そのほか、これに類するエトセトラがたいせつなだけだからね。」


1936年にチャペックが警告したとおりに滅亡するのは嫌だ!
今こそ、本当に、軌道修正すべき時だと思う。